
ウィンドブレーカーというジャンルは、正直どれも似たり寄ったりに見える。
軽い、薄い、風を防ぐ。
各社そこはちゃんと押さえてくる。
その中で、このMAMMUT(マムート) Hiking WB Hooded Jacket AF Menは、かなり玄人寄りの立ち位置だと感じた。
派手さはない。
防寒力もない。
だが、使う場面をハマると、異様に使いやすい。
想像以上に薄手。だからこそ季節は選ぶ
まず最初に言っておくと、これは防寒ジャケットではない。
生地は想像以上に薄い。
通気性は高く、風は止めるが、熱は溜めない。
そのため、
- 冬:厳しい
- 秋:寒い
- 春先(冷える日):普通に寒い
という評価になる。
ここを勘違いすると「思ったより寒い」という感想になるはずだ。
だが、近年の「長すぎる夏」では話が変わる
一方で、ここ数年の夏は異常に長い。
そして問題なのは屋外と屋内の温度差。
- 外:灼熱地獄
- 室内:冷房ガンガン
この環境に、このジャケットはかなり強い。
薄くて軽いので、
- 鞄に丸めて突っ込める
- 必要なときにサッと羽織れる
日よけ、冷房対策としてはかなり優秀だった。
「中途半端さ」をコントロールできる設計

このジャケットの面白いところは、着方で性能を切り替えられる点。
通気性が欲しいとき
- 手元(リスト)を緩める
- ドローコードを緩める
これだけで衣服内に風が循環する。
薄手生地なのでムレにくく、暑さが辛い場面ではこれがちょうどいい。
防風性を優先したいとき
- リスト部分をしっかり締める
- ドローコードを絞る
すると外気をきちんとシャットアウトできる。
保温性はないが、生地自体に防風性はあるので、風だけは確実に止めてくれる。
どちらも完璧ではない。
だが、この「完璧じゃなさ」が、
冷房の効いた室内と真夏の屋外、両方に対応できる理由でもある。
生地感が独特。これは実物を触らないとわからない

この手の薄手ウィンドブレーカーは、他メーカーからも大量に出ている。
だが、このマムートは生地感が明らかに違う。
- 適度にざらっとしている
- それでいて肌触りがいい
- 汗をかいた肌に触れても不快感が少ない
正直、これは写真やスペック表では伝わらない。
店舗で触って初めて「あ、違うな」とわかるタイプ。
夏場でも着心地が常に安定している点は、強く推しておきたい。
ロゴが主張しない。日常使いしやすいデザイン

デザインはブラック基調でかなりシック。
マムートのロゴも前面で主張しない。
- アウトドア感が出すぎない
- 普段着として使いやすい
この点も評価が高い。
「登山用です」という顔をしていないのが良い。
正直なデメリット
もちろん万能ではない。
デメリット
- 防寒性はほぼゼロ
- 冬・秋・寒い春先には向かない
- これ一枚で暖かさを求めると失敗する
用途を間違えると評価が一気に落ちるタイプだ。
まとめ|刺さる人には、かなり刺さる
このジャケットは、
- 夏が長すぎてうんざりしている人
- 冷房と外気温の差に悩んでいる人
- 薄くて、軽くて、邪魔にならない一枚が欲しい人
こういう人には、かなり「ちょうどいい」。
派手さはない。
だが、性能と使いやすさを静かに高いレベルでまとめてくる。
地味だが、仕事はきっちりする。
そんな玄人向けのウィンドブレーカーだった。