
今回は、我が家の新生児(0歳児)のQOLを上げるため、そしてあわよくば我々親側の自由時間を錬成するために導入した、育児界のド定番ガジェットについて語りたい。
結論から言うと、「これを与えておけば赤ちゃんが勝手に機嫌よく遊び、親はコーヒーを飲むイージーモードに突入する」という都合のいい未来は訪れない。
世の中のパパママの祈りをへし折るようで申し訳ないが、これが現実だ。ただし、プロダクトの仕様を正しく理解し、過度な期待を捨てて付き合う分には、十分に買ってよかったと言える仕上がりになっている。
育児界の海外鉄板プロダクト。フィッシャープライス「ピアノジム」

導入したのはこれ。フィッシャープライスの「あんよでキック!感覚が育つ4WAYバイリンガル・ピアノジム(HYJ72)」だ。
価格はAmazonの適格請求書で6,120円(税込)。
要するに、寝転がった赤ちゃんの足元に巨大な鍵盤(ピアノ)が配置されており、手足をウネウネと動かした拍子にそこを蹴っ飛ばすと、陽気な音楽や音が鳴るという仕組みだ。
マットの上で暇そうに虚空を見つめている我が子を見て、「せめてもの慰み(おもちゃ)になれば……」と思って購入した。おもちゃに6,000円オーバー。ガジェットなら優秀な充電器や大容量SDカードが買える値段なので、正直ポチる時は結構迷った。
理想と現実:新生児期は「虚無」の時間が流れる

全パパママが「これでも蹴って、頼むから自分で遊んどいてくれッッ!!」と天を仰ぎながらベッドに設置するわけだが、現実はそこまで甘くない。
ステージ1:生後0〜2ヶ月(完全なる敗北)
まず、新生児の段階では圧倒的に筋力が足りない。鍵盤に足が当たったところで、音が鳴るほどの圧力をかけられない。
さらに、赤ちゃん側も「自分が足を動かしたから、音が鳴った」という因果関係を1ミリも理解できないため、基本は完全に興味を持たない。マットの上でただウネウネしているだけ。完全なる無風。
ステージ2:生後4ヶ月〜(化け始める)
しかし、生後4ヶ月あたりになってくると話のレイヤーが変わってくる。
知能と身体能力が追いついてくるため、自分の意志で明確にボタン(鍵盤)をドカドカと押しに行くようになる。さらに、おもちゃがピカピカと光る点滅をボーッと一点凝視するようにもなる。
ここでようやく「あぁ、6,000円払った価値があったわ」と親側も救われる。
ただし、勘違いしてはいけない。これを与えたからといって、ギャン泣きしている赤ちゃんがピタッと泣き止むような神の便利グッズではない。あくまで「機嫌が良いタイミングで、少しだけ一人遊びの時間を引き延ばせる」程度のもてなし道具だ。
地味に優秀な「放置性能」と、謎の超省電力スペック

じゃあ何が良くて「買ってよかった」なのかというと、内蔵されている楽曲の仕様だ。
- 1曲あたりが結構長い: メドレーモードにすると、1曲あたりの演奏時間がしっかり長めにキープされる。音楽がすぐに途切れて「はいパパ次のボタン押して〜」となるクソ仕様ではないため、そういう意味での「放置性能」は極めて高い。
さらに、この手の電子玩具としては異例なほど電池の持ちが良い。
スピーカーからは結構な大音量で脳内麻薬のようなバイリンガルソングが流れるため、さぞかし電池をドカ食いするだろうと身構えていた。しかし、消費電力が極限まで最適化されているのか、毎日ハードに稼働させても電池交換は1ヶ月に1回程度で済んでいる。エネループ等の充電池を回せば、ランニングコストは実質タダみたいなものだ。
まとめ:便利グッズではない。だが、確かな「時間のアセット」にはなる

繰り返すが、このピアノジムは育児を全自動化してくれる魔法のガジェットではない。過度な夢を見て買うと「全然一人で遊ばないじゃねえか!」とメルカリに放流する羽目になる。
ただ、
- 生後4ヶ月以降に訪れる、自発的にキックして遊ぶ楽しそうな姿
- 長い内蔵曲のおかげで、親が10分間だけ両手を空けられるという余裕
この2つの対価として6,120円を支払うのであれば、投資としてのロジックは十分に成立している。
子どもがウネウネと暇そうに過ごす日常に、ちょっとした「成長のトリガー」と「親の休憩時間」を仕込みたいなら、導入を検討する価値は大いにある。