この記事ではロジクールのゲーミングキーボード「ロジクールGシリーズ」のワイヤレスタイプの5モデルを取り上げる。
ロジクールGシリーズはゲームに最適化された高品質なキーボードシリーズ。
今回紹介する4モデルはそれぞれ異なる特徴や機能を備えている。
個別のスペックを紹介する前に、まずはワイヤレスキーボードのメリット・デメリットを見てみよう。
当記事は公式サイトで公開されている商品のスペックやレビュー情報をわかりやすく整理し、読者が自分にぴったりの商品かどうかを判断できるように作成しました。
自分に合った最適なキーボード選定の参考になれば幸いです。
なぜロジクールGシリーズなのか
PCゲームの需要が高まり、新興メーカーから低価格のメカニカルキーボードが続々と登場している。アマゾンで検索すれば、6000円以下のモデルを発見できるだろう。
しかし、新興メーカーは基本的な製造品質が安定しておらず、個体差が大きいのも事実である。
あたりを引けば問題ないが、ハズレを引けば質の悪いモノを掴むことになる。
その点、ロジクールはPC関連機器の老舗であり、製品自体の精度に不安はない。
特にキーボードはロジクールGシリーズだけでなく、高品質モデルやハイエンドモデルも多数開発しており、設計思想にも信頼が置ける。
さらにアフターサポートや保証もしっかりしており、初期不良があっても無償交換で対応してくれる。
キーボードには確実な入力と安定した機能が求められる。
その点で、ロジクールは開発元・製造元として安心できるというわけだ。
ワイヤレスキーボードのメリット
ワイヤレスであるメリットは以下の通り。
デスクが配線レスでスッキリする
ケーブルがないので、デスク上に余分な配線がなくなる。
見た目がすっきりするし、ケーブルが絡まるストレスがない。
複数のデバイスで使用可能
ワイヤレスキーボードはBluetoothやUSBレシーバーなどで無線で接続されるので、PCだけでなく、タブレットやスマホなどの他のデバイスとも使い分けることができる。
一つのキーボードで複数のデバイスを操作できるのは便利。
使わないときの収納・移動が楽
ワイヤレスキーボードはケーブルで接続されていないので、移動させたり使わない時に収納しておくのが簡単。
デスクを掃除する時に簡単に撤去できる。
ワイヤレスキーボードは物理的に接続されてないから、移動させたり使わない時に収納しておくのが簡単。デスクを掃除する時に簡単に撤去できるのは便利。
ワイヤレスキーボードのデメリット
ワイヤレスであることのデメリットもある。
有線キーボードより高価
無線通信機能やバッテリーなどのコストがかかる。
同じ性能や品質のキーボードでもワイヤレスタイプのほうが高い。
無線による接続トラブルの可能性がある
ワイヤレスキーボードは無線通信に依存するので、無線通信の障害や干渉によって切断や遅延などの問題が起こる可能性がある。
特にBluetoothは他のデバイスと競合したり、ペアリングがうまくいかないトラブルが起こるとストレス。
遅延は有線キーボードには勝てない
ワイヤレスキーボードは無線通信によって信号伝送されるので、有線キーボードに比べて若干遅延が発生する。
対戦ゲームでは一瞬の差が勝敗を分けることもある。
その意味では有線キーボードのほうが有利。
充電や電池交換が必要
ワイヤレスキーボードはバッテリーで動作する。
当然、定期的に充電や電池交換をしなければならない。
無線キーボードはもちろんバッテリー駆動。有線のゲーミングキーボードは、パソコンから電源を供給されるため、充電残量を気にする必要はない。
ワイヤレスキーボードに向いているユーザー
メリットとデメリットを見てみると、下記のような人がワイヤレスタイプに向いているように思う。
- デスク周りをスッキリさせたいユーザー
- パソコンとの距離が遠いユーザー
- 複数の機器でキーボードを使い分けたいユーザー
- 使用しない時に移動・収納をしたいユーザー
ワイヤレスキーボードに向いていないユーザー
下記のような人はワイヤレスタイプに不満を持つかもしれない。その場合は有線タイプを検討したほうが良いだろう。
- ゲーミングキーボードの導入に予算を抑えたいユーザー
- FPSや格闘ゲームなどの対戦が好きなユーザー
- パソコンとの距離が近いユーザー
- 充電や電池交換を気にしたくないユーザー
有線キーボードのメリット・デメリットについては以上だ。ようやくだがロジクールGの有線キーボードを個別に紹介していく。どれも個性的だが総じてゲームに特化したキーボードだ。詳しく見てみよう。
G613:装飾一切なしの機能追求モデル
特徴
- 質実剛健な設計思想により、シンプルながら機能性のみを追求したモデル。
- 独自のLIGHTSPEEDテクノロジーにより、無線でありながら有線と同等の反応速度。
- Romer-Gタクタイルを採用し、静かで快適な打鍵を楽しめる。
- 6つのプログラマブルGキーと専用メディアコントロールも搭載。
デザイン
- フルサイズのキーボードで、一体型のパームレストを備えている。
- デザインはシンプルだが、搭載されている機能は多い。
- キーボードのサイズは約478×216×33mmで、重量は約1410g。
接続方法
- LIGHTSPEEDワイヤレステクノロジーとBluetoothの2種類に対応。
- LIGHTSPEEDワイヤレステクノロジーは、1msの高速レポートレートを実現。
- 無線遅延の無いテクノロジーで、PUBG JAPAN SERIES 2018の推奨モデル。
- PCで使用する場合LIGHTSPEEDワイヤレステクノロジー一択。
キースイッチ方式
- Romer-GタクタイルというLogicool独自のメカニカルスイッチを採用。
- Romer-Gタクタイルは押下中に軽い段差を感じる打ち心地で、高速反応と静音性を兼ね備えている。
- 7,000万回のクリックテストをクリアした驚異的な耐久性を備えている。
- キーストロークは3mmで、アクチュエーションポイントが1.5mm。押下圧は45±20g。
バックライト機能
- バックライトは搭載していない。
- ゲーミングキーボードらしい煌びやかな演出はできないが、バッテリーの消耗をカットできる。
独自の機能
- Fキーは12個あり、様々なショートカットキーを割り当て可能。
- Nキー ロールオーバーとアンチゴースティング機能搭載。誤入力を排除。
- 複数のキーを同時に押す必要がある場面でも確実に入力可能。
G715:遊び心とカスタム性能を備えた本格モデル
特徴
- G713のワイヤレスモデル。同じデザイン・スペックで有線が良いならG713をチェック。
- LIGHTSPEEDワイヤレステクノロジーを搭載したテンキーレスキーボード。最大40時間のバッテリー寿命と1msの高速レスポンスを実現している。
- テンキーレスだが重厚な構造でキーボード本体の剛性が高い。
- かわいいパームレストが付属している。
デザイン
- トップケースは白いプラスチックで、清潔感と軽さを演出。
- 眩しいほどのホワイトミストが標準カラー。他の配色のアクセサリーは別売り。
- オーロラコレクションのシグネチャーとなる雲形のパームレストが付属。
- キーボードの高さは2段階に調節できる。
- キーボードのサイズは約371×157×37mm。
接続方法
- LIGHTSPEEDワイヤレステクノロジーとBluetoothの2種類のワイヤレス接続に対応。
- LIGHTSPEEDワイヤレステクノロジーは、1msの高速レポートレートを実現。
- PCで使用する場合はLIGHTSPEEDワイヤレステクノロジー一択。
キースイッチ方式
- G713はGXレッド(赤軸)、GXブラウン(茶軸)の2種類のキースイッチを採用。
- GXレッド(赤軸)はスムーズで静かな打鍵感。反応速度が命のFPS向き。FPS向き。
- GXブラウン(茶軸)は丁度よい打鍵感。比較的静音性も高い。
- キーストロークが3.2mm、アクチュエーションポイントが1.5mm。押下圧が50g。
バックライト機能
- RGB LED照明を搭載。
- バックライトはキーライトごとに調整することも可能。
- 外周ライトも16個あり様々な効果やアニメーションを表示できる。
- LIGHTSYNC RGBはG HUBソフトウェアでカスタマイズ可能。
独自の機能
- 任意のマクロプログラムをFキー12個に設定できる。FPSだけでなく、SLGなどコマンドが複雑なゲームでも快適にプレイ。
- フルメディアコントロールを搭載。音量やメディアの操作が物理スイッチで操作可能。
- 音量ホイールはキーボード右上に搭載。メディアの再生や一時停止、スキップなどはF9~F12に割り当て可能。
- ゲームモード搭載。不要なキーの消灯、誤入力しやすいキーの無効化などの設定が可能。
G913 TKL:ロジクールGシリーズ史上最強のコンパクトモデル
特徴
- LIGHTSPEEDワイヤレステクノロジーとBluetoothに対応したハイエンドゲーミングキーボード。
- 最大40時間のバッテリー寿命と1msの高速レスポンスを実現。
- GLスイッチというロジクール独自の薄型メカニカルスイッチを搭載。
- GLクリッキー(青軸)、GLリニア(赤軸)、GLタクタイル(茶軸)の3種類のLogicool独自のメカニカルスイッチから選べる。
デザイン
- 無駄が一切ない洗練されたデザイン。薄く堅牢なキーボード。
- トップケースはブラックまたはホワイトの金属で高級感がある。
- キーボードの高さは2段階に調節できる。
接続方法
- LIGHTSPEEDワイヤレス、Bluetooth、USB-C有線接続での接続が可能。
- LIGHTSPEEDワイヤレスはUSBレシーバーを使って1msの高速接続ができる。
- 無線で使用したいなら基本的にLIGHTSPEEDワイヤレス接続の一択。
キースイッチ方式
- 独自開発の薄型メカニカルスイッチはストローク長が短い。
- 入力スピードが一般的なスイッチやGXスイッチシリーズと比較しても早い。
- GLクリッキー(青軸)、GLリニア(赤軸)、GLタクタイル(茶軸)の3種類から選べる。
- GLクリッキーは、 耳に聞こえるクリック音と触覚フィードバックが特徴的。
- GLタクタイルは、優しい打鍵感による適度な触覚フィードバックが特徴的。
- GLリニアは、静かでスムーズなキーストロークが特徴的。
- キーストロークが2.7mm、アクチュエーションポイントが1.5mm。押下圧が50g。
バックライト機能
- RGB LED照明を搭載。
- バックライトはキーライトごとに調整可能。
- LIGHTSYNC RGBによって様々な効果やアニメーションを表示可能。
- LIGHTSYNC RGBはG HUBソフトウェアでカスタマイズすることができ
独自の機能
- フルメディアコントロールを搭載。音量やメディアの操作が物理スイッチで操作可能。
- 音量ホイールはキーボードの右上に搭載。メディアの再生や一時停止、スキップはF9~F12のキーに割り当て可能。
- ゲームモード搭載。不要なキーの消灯、誤入力しやすいキーの無効化などの設定ができる。
G913:極薄メカニカルスイッチ搭載のフラッグシップモデル
特徴
- G813のワイヤレスモデル。同じデザイン・スペックで有線が良いならG813をチェック。
- 独自のLIGHTSPEEDテクノロジーにより、無線でありながら有線と同等の反応速度。
- GLスイッチというロジクール独自の薄型メカニカルスイッチを搭載。
- GLクリッキー(青軸)、GLリニア(赤軸)、GLタクタイル(茶軸)の3種類から選択。
- 5つのプログラマブルGキーと専用メディアコントロールも搭載。
- 薄型デザインで厚さは約22mmとかなり薄い。
デザイン
- 高級感のあるアルミニウム合金製の筐体で耐久性が高い。
- カラー展開はカーボンブラックとホワイトの2種類。
- 厚さは約22mmと超薄型デザイン。
- 高さ調節機能とアルミ製の音量ホイール、フルメディアコントロールボタンを搭載。
- フルサイズキーボードだが、薄型のためデスクに圧迫感を与えない。
- キーボードのサイズは約475×150×22mmで、重量は約1025g。
接続方法
- LIGHTSPEEDワイヤレステクノロジーとBluetoothの2種類のワイヤレス接続に対応。
- LIGHTSPEEDワイヤレステクノロジーは、1msの高速レポートレートを実現し遅延に不安を感じることはない。
- バッテリー寿命はフル充電時で最大30時間で、3時間でフル充電可能。
キースイッチ方式
- GLクリッキー(青軸)、GLリニア(赤軸)、GLタクタイル(茶軸)の3種類から選択。
- GLクリッキーは、 耳に聞こえるクリック音と触覚フィードバックが特徴的。
- GLリニアは、静かでスムーズなキーストロークが特徴的。
- GLタクタイルは、優しい打鍵感による適度な触覚フィードバックが特徴的。
- キーストロークは2.7mm、アクチュエーションポイントが1.5mm。押下圧は50g。
バックライト機能
- RGBライトが完全装備。Logicool G HUB ウェアを使用して、RGBをカスタマイズすることもできる。
- オンボード コントロールでライトエフェクトの変更や輝度の調整も行える。
独自の機能
- 5つの専用Gキーにゲーム/アプリ内キー バインド、システム コマンド、カスタム マクロをプログラムできる。
- オンボード メモリに3つのプロファイルを保存可能で、合計15個のGキーを登録可能。
- ゲームモードボタンを使って邪魔なキーを無効にできる。
- 専用メディアコントロールボタンで音楽やビデオの操作も簡単にできる。
自分が選ぶならこのモデル
G913:極薄メカニカルスイッチ搭載のフラッグシップモデル
これは筆者の考えだが、ゲーミングキーボードかつフルキーボードタイプを導入するにあたって自分が一番重要視する点は、「いかにタイピングが気持ちよくできるか」である。
タイピング自体が気持ち良ければ、ゲームにしろドキュメント作成にしろ不満なく使える。
その点、G913はデザイン的にもタイピング性能的にも丁度いいモデルだ。
どのような用途でも気持ちよく使える工夫が随所にみられる。
G913は大会で使用できるレベルの無線技術「LIGHTSPEEDワイヤレステクノロジー」を搭載している。
ワイヤレスデバイスのボトルネックである「遅延」の問題は解消済み。
何らかの作業をデスクで行う場合や掃除する際に、簡単にキーボードを移動させられるのは大きなメリットだろう。
また、キースイッチが3種類選べる点も特筆すべきだろう。
GLクリッキー(青軸)、GLリニア(赤軸)、GLタクタイル(茶軸)の3種類を選択できる。
ゲームのことだけ考えればGLリニア(赤軸)を選択するだろうが、ドキュメントも作成することを考えれば、GLタクタイル(茶軸)を選択するべきだ。
多少引っ掛かりのある感触が無いとミスタイプを誘発してしまう。
そして、専用Gキーが5個も搭載している点も良い。
キーボード上部のFキーにマクロを設定できるモデルもあるが、完全専用キーとして通常のキーボード配列に追加で5つ用意されている。
ゲームだけでなくイラストソフトのショートカットやドキュメント作成時のショートカットなどにも流用できるから、用途を限定せず自由にカスタムできる。
最後に、コストパフォーマンスについても言及したい。
G913の有線バージョンのモデルに「G813」というモデルがある。
G813は有線なのでワイヤレス機能を搭載しておらず、その分価格が5000円程安い。
超高性能なワイヤレス技術を5000円でオプションできると考えれば分かりやすい。
ワイヤレスキーボードで最高の体験がしたいなら、G913は選択肢の一つだ。
以上、あえて自分がお勧めするなら「G813」を選ぶが、ゲーミングキーボードに何を重視するかは人それぞれだ。
自分の用途や環境にあったモデルをじっくり考えて、最適な選択をしてもらいたい。
総括:どれを選んでも失敗はない
この記事では、ロジクールGの有線キーボードを5つ紹介した。
どのモデルも個性的だが、自分の好みや用途に合わせて選べばどれも選んでもガッカリすることはないだろう。
なぜなら、ロジクールGシリーズは見た目が派手だが品質は堅実そのものだからである。
高い剛性、品質の良いメカニカルスイッチ、気持ちの良い打鍵など、キーボードの基本要素がどのモデルも備えている。そういう意味で、どのモデルを選んでも失敗はない。
デザインで選んでも良いし、ゲーム機能で選んでも良いし、コスパで選んでも良い。
自分が何を重視するか、しっかり考えたうえで選択することをお勧めする。